我がWajima大学の人件費を考える:複数の年収パターンによる人件費のシミュレーション

 「我が大学は予算がひっ迫している。定年延長での人件費の問題への対応を慎重に行っていく必要があるが、同時に優秀な若手研究者の獲得もしっかりと熟考して行かなければならない。」とWajima大学の和嶋学長がおっしゃったので、Wajima大学のIR室の和嶋がシミュレーションを行ってみました。

 使用している人員の変化データは、先のブログ「IRシミュレーション:役職人数編」と同じで、
 ルール1.総人数は変化しない
 ルール2.1人定年になったら、若手(27歳)を1番低い役職で採用する
 ルール3.上位の役職の欠員が出たら、その下位の役職に所属する人の最も年齢が高い人を上位の役職に昇進させる
というルールで作成されています。
 それに、以下の給与パターンを適用してみました。

現行ルール:こちらをベースとします。年功序列で給与が上がっていきます。

60歳以上は増加しないパターン:現行ルールの65歳以上は60~64歳と同じ金額に固定するパターンです。

若手にプラス100万+60歳以上は増加しないパターン:60歳以上は増加しないパターンをベースとして、25~34歳に100万円をプラスしたパターンです。

Tableau PublicにシミュレーションのTableau Vizを置いてみました。左上の▶を押すと、アニメーションで見ることができます。

大まかなデータ作成作業(Prep作業)については、動画にてご確認ください。


 「現行ルール」、「60歳以上は増加しないパターン」と「若手にプラス100万+60歳以上は増加しないパターン」を見ると、「60歳以上は増加しない」にすると、やはり人件費を抑えることができることが分かります。また、「60歳以上は増加しないパターン」と「若手にプラス100万+60歳以上は増加しないパターン」を比較すると、「若手にプラス100万」でも、初年度に加えてマイナスになる区間と幅が少なくなりますが、初年度からの差という視点であれば、どちらも2033年前後のピークを乗り越えられるかというのが問題となり、「若手にプラス100万円」でも何とかなりそうに見えます。
 という訳で、和嶋は、学長に「若手にプラス100万+60歳以上は増加しないパターン」を勧めたいと思います。学長はどう反応するでしょうか。

左から、「現行ルール」、「60歳以上は増加しないパターン」、「若手にプラス100万+60歳以上は増加しないパターン」

 上記は、完全に机上の空論ですが、この程度ならば、Prepでルールをすぐに適用できるので、いろんなルールを試すことが簡単です。簡単にルールを変更して、その影響を確認できること、これがシミュレーションの面白いところです。
 本当は、実際の人事データがあって、現行の給与規程、昇格等のルールがあれば、より現実に近いシミュレーションができます。もしご興味ございましたら、IRI Lab.までご連絡をいただければと思います。

 お役に立てれば幸いです。