Excelで手軽に始める業務分析(2年目以降の取り組み)

前回、「Excelで手軽に始める業務分析」という記事で、業務時間の記録と分析方法をご紹介したのですが、この取り組みは2年目以降も継続して行いました。
2年目以降は分析も少し工夫したので、サンプルデータにはなりますが、いくつか具体例をご紹介したいと思います。

まず、こちらは日次の作業時間数(ブルーのグラフ)に進捗率(オレンジの折れ線)を重ねたグラフのイメージです。

日次作業時間数・進捗率(イメージ)

当時の期末決算は諸々の対応に全体で2ヶ月ほどかかっていて、それだけ長いと途中で息切れしたり、あるいは自分が進んでいるのか(遅れているのか)わからなくなって、焦りだけが募る、というようなことも起こったりしていました。
こうしたグラフを作成することで、作業のピークがどこか、あとどれくらいの作業が残っているのかといったことがわかり、ペースを掴みやすくなったように思います。

次に、こちらは日次の作業時間を前年度と比較したグラフです。(ブルーが今年度、グレーが前年度)

日次作業時間数の前年度比較(イメージ)

複数年のデータを蓄積すると前年度と比較できるようになり、比較できるようになると、どこでつまずいたのか等、課題や改善点がわかりやすくなります。
こうしたグラフを見て気づいた改善点などは、各自Excelに記入して、それを持ち寄って係内で共有し、皆で対策を考えるといった取り組みも行いました。

更に、前年度の振り返り会で、書類の作成だけでなく、作成した書類のチェック作業の負荷もそれなりに大きいという意見が出たので、2年目以降は書類作成とチェック作業とを分けて時間の記録を行いました。

こちらはその結果を集計したグラフのイメージです。

作業時間の割合(イメージ)

可視化してみると、やはりチェック作業にはそれなりのボリュームがあることがわかり、早速チェック作業の改善も検討することになりました。
実際に検討を行ってみると、チェック作業は書類作成作業と同等かそれ以上に属人化している部分がありました。
そこで、チェックのポイントや方法を改めて整理したのですが、これは結果的に作業の省力化や、ミスが生じにくい仕組み作りにもつながり、大変良かったなと思います。

上記のような取組の甲斐もあって、次の決算では更に超過勤務を削減することができました。

また、こうした分析資料を整えることで、他部署にも協力依頼や相談をしやすくなっていきました。
課題や改善点が明確になっていることで議論がしやすくなり、他部署の職員と一緒に、スケジュールや作業方法の見直しなどを検討する機会が増えていったように思います。
Excelへの時間記録という小さな取り組みから始めたことでしたが、部署を跨いで皆で前向きに検討する雰囲気に育っていって、しみじみとした嬉しさを感じたのを覚えています。

 

以上、2回にわたってご紹介した業務分析の事例でした。

なお、私がこの取り組みに携わったのはもう5年ほど前になるのですが、先日、現職の担当係長に話を伺う機会があったので現在の状況をきいてみたところ、作業時間の記録は継続していて、今は業務分担などの参考にしているとのこと。また、以前ほど超過勤務もない状態ということでした。
また、当時の担当係長にもお話を聞いたところ、現在は異動先の部署で同じような取り組みを始めていて、誰がいつ・どの仕事をしているのかがわかるので、担当者本人の時間管理だけでなく係全体の業務管理にも役立っている、と教えていただきました。

本記事が、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

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